血尿は、ペットシートでおしっこをする犬の場合は気づきやすいのですが、外でおしっこをする愛犬の場合、気づきにくい場合があります。
血尿は病気のサインです!どんな病気が隠れているのか、血尿になる原因やしぐさ、発症しやすい犬についてご紹介していきたいと思います。
血尿の原因を探るための病院での検査や、その費用についてもご紹介していきますので、参考にしてみてくださいね。
この記事でわかること
愛犬が血尿になる4つの理由
- 中毒
- 感染症
- 膀胱炎
- 前立腺疾患
中毒による血尿
犬が食べると中毒を起こす「ネギ類」「チョコレート」などをあやまって食べてしまった時に、血尿以外に嘔吐や下痢、けいれんを引きおこします。
死にいたるケースもありますので、必ず病院で処置してもらいましょう。夜間どうしても診てもらえない…という場合は、自己判断で応急処置などはせずに、夜間救急も行っている動物病院に電話で指示をあおいでください。
ネットで応急処置の方法などが掲載されていますが、重症化してしまうおそれがあるのでおすすめできません。犬の誤飲はとっても多く、人間のおかずを与えた時に玉ねぎがすりつぶして入っていた…なんてことも耳にします。
愛犬がツライ思いをするのはかわいそうなので、犬に与えてはいけない食べものをもう一度確認しておきましょう。
犬に与えてはいけない食べ物
- チョコレート
- ネギ類
- キシリトール
- ぶどう
- ナッツ系
- アボカド
- アルコール
感染症による血尿
フィラリア・バベシア症といった感染症は、血尿の症状があらわれます。フィラリアは蚊にさされることで感染する可能性のある病気で、犬の心臓に寄生して、循環器・呼吸器・腎・肝に障害を引きおこします。
月に一回のお薬で予防することができるので、蚊の発生時期である5月から11月の半年間はかならず飲ませてあげてください。
バベシア症はマダニによって感染する可能性のある病気で、犬の赤血球に寄生して、血尿の他に重度の貧血や発熱などの症状を引きおこします。フィラリアの予防薬同様、月に一回のお薬で予防することができるので、マダニの発生時期である4月から11月まで予防してあげてください。
膀胱炎による血尿
膀胱炎の多くは細菌感染が原因ですが、寄生虫や膀胱腫瘍が関係している場合もあります。慢性化するとおしっこをするときに激痛がはしる尿路結石や、発熱や膿尿を引きおこす腎盂腎炎になることもあるので、「血尿」「頻尿」といった症状がある場合は、すぐに病院で診てもらいましょう。
前立腺疾患による血尿
激しい痛みがある前立腺炎や、前立腺肥大の末期になると血尿の症状があらわれます。
前立腺肥大の場合は痛みがないため気づきにくいのですが、血尿以外に「排尿困難」「便が細い・平ら」「排便困難」といった症状がある場合は、前立腺が肥大している可能性があります。
血尿を発症しやすい犬
- 神経質
- シニア犬
- 去勢・避妊手術をしていない
- 膀胱炎の好発犬種
血尿やそれに似た症状がでやすいワンちゃんがいますのでみていきましょう。
神経質
環境の変化やお留守番など、ストレスを感じやすい子は膀胱炎になりやすく血尿に繋がってしまいます。
大きな原因がストレスということもあり体力的には元気があることが多いので、おしっこをするときに痛がったり、頻繁におしっこをしようとする場合は膀胱炎の可能性があります。
シニア犬
シニア犬の場合は膀胱腫瘍の可能性があります。膀胱炎をくりかえす子は特に注意が必要で、膀胱炎と症状が区別しにくい病気です。
膀胱腫瘍のほとんどが悪性度のたかい移行上皮癌で、発病してからの時間とともにリンパ節や肺へ転移を起こしてしまうので、早期発見が重要な病気の一つです。
去勢・避妊手術をしていない
早めに去勢・避妊手術をすすめられるのは、子宮や前立腺に炎症が起きやすいからなんです。
血尿のほかに、子宮から膿がでる子宮蓄膿症や、前立腺に激痛がはしる前立腺炎など、緊急性の高い病気にかかりやすいので、まだ去勢・避妊手術をしていない飼い主さんは注意してください。
膀胱炎の好発犬種
- ミニチュアシュナウザー
- ミニチュアダックスフンド
- ブルドック
- ダルメシアン
愛犬のこんなサインを見逃さないで!
- 頻尿
- 排尿困難
- 陰部を頻繁に舐める
外でおしっこをする犬は特に血尿が見つけにくいのですが、こんな症状で飼い主にうったえています。これらの行動は血尿の可能性があるので、おしっこをした後にティッシュでふいてあげてみてください。
血尿は薄いピンクやオレンジ色をしているので、普段からおしっこの色を確認しておくと愛犬の変化に気づきやすいかと思います。血尿は自然に治ることはないので、血尿以外の部分で症状が悪化する前に発見してあげましょう。
長時間の散歩で血尿がでることはあるの?
超小型犬 4kg未満 |
1日1回 | 15分~30分程度 |
小型犬 10kg未満 |
1日1回 | 30分程度 |
中型犬 25kg未満 |
1日2回 | 30分ずつ |
大型犬 25kg以上 |
1日2回 | 30~60分ずつ |
犬の大きさ別の適切な散歩時間ですが、犬種や年齢、性格でも異なってきます。
長時間の散歩をしたからといって必ずしも血尿に繋がるわけではありませんが、その子にとって長すぎる・暑すぎる・散歩ルートがいつも違うということは、からだに負担をかけるだけでなくストレスに感じる場合があります。
血尿の原因のひとつである、ストレスによって細菌に感染してしまう場合もありますので、愛犬の様子をみながら散歩を楽しんでくださいね♪
また、屋外や散歩でしかおしっこができない愛犬の場合、シニア犬になった時に排尿困難な状態になって、膀胱炎から血尿といった症状を引きおこす場合があります。
屋外でおしっこをする習慣がついている子にとってはなかなかむずかしいのですが、室内でもおしっこができるようにしつけておいた方が、なにかあった時やシニア犬になった時に愛犬自身もツライおもいをしなくてすみますよ。
血尿が出た時の検査項目と費用
種類 | 費用 |
---|---|
触診 | 1,000円前後 |
尿検査 | 1,000円前後 |
超音波・レントゲン検査 | 3000円前後 |
血液検査 | 10,000円前後 |
検査1:触診
腎臓・膀胱・直腸・膣・陰部といった、からだのどの部分に異常があるのか触診していきます。
費用は初診料にふくまれる場合は1,000円前後になるかと思いますが、動物病院は獣医師が費用を決めることができるので、身体検査費用として500円~1,000円が追加される可能性もあります。
検査2:尿検査
わが家の愛犬の尿検査をするときに「20分以内に採取した尿を持ってきてください」と言われ、犬の尿ってどうやってとるの?!と思いましたが意外に簡単。
ペットシートを裏返してそこにおしっこをしてもらい、専用の容器にいれかえました(^^)/外でおしっこをする愛犬の場合は“おたま”を使うと、簡単におしっこをゲットできますよ!
どうしても採取できない場合は、カテーテルなどの方法もあるので、獣医さんに相談してみてください。尿検査の費用はだいたい1,000円前後。カテーテル採尿の場合は+500円~2,000円が追加されます。
検査3:超音波・レントゲン検査
腎臓・膀胱・生殖器系に結石や腫瘤がないかを検査します。超音波(エコー)検査は3,000円前後、レントゲン検査は4,000円前後です。
検査4:血液検査
一般的な血球の検査と、炎症の数値や腎臓の数値など、症状によって血液検査の項目が変わる場合があります。
血液検査は結構お高めで、10,000円前後かかるので多めにお金を用意しておいた方がいいかもしれません。初診料と検査でだいたい20,000円前後、検査結果によってお薬などの費用も追加されます。
犬の血尿の原因まとめ
今回は血尿の原因やしぐさ、発症しやすい愛犬、血尿の原因を探るための検査とその費用についてご紹介しました。
血尿にはかならず病気がひそんでいるにもかかわらず、気づきにくい症状と言われています。愛犬のいつもと違う小さなしぐさや行動をキャッチして、早い段階で見つけてあげたいですね。