犬が玉ねぎを食べると危険だということは有名ですが、犬が食べてはいけない食べ物はたくさんあります。
今回は絶対に与えてはいけないものと、その理由について種類別一覧にしてみましたので、愛犬が口にしないように注意してください。
この記事でわかること
種類別|犬が食べてはいけないもの一覧
大きく10項目に分類しました。順番に、食べてしまった時の中毒症状と合わせてご紹介していきます。
1.果物
生食 | 加熱 | 中毒症状 | |
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ぶどう (全種類) |
× | × | 腎臓の組織が破壊されることによる、急性の腎臓機能不全をおこします。 |
アボカド | × | × | 人間以外が食べると中毒症状を引きおこす中毒成分が含まれているため、心臓血管系の問題を引きおこします。 |
プルーン | × | × | ドライプルーンは毒性が強く、呼吸困難やショック症状があらわれます。 |
ドライフルーツ | × | × | 乾燥させることにより食物繊維や糖分が増し、下痢や腹痛の原因になります。 |
いちじく | × | × | 皮や葉に中毒性物質があるため、嘔吐や口内炎の症状を引きおこします。 |
ざくろ | × | × | 大量摂取すると嘔吐や下痢といった消化器障害を引きおこします。 |
柑橘系 | × | × | 皮の部分に中毒性物質が含まれているので、嘔吐や下痢の症状を引きおこします。 |
桃 | △ | △ | ビタミンや食物繊維が豊富ですが、種はキケンですので取りのぞきましょう。 |
梅 | × | 〇 | 梅干しなどの漬物は塩分が強すぎるので嘔吐や下痢の原因になります。加熱してから種を取って与えてください。(摂取量:1/2~1個程度) |
栗 | × | 〇 | デンプンやビタミンが含まれているので、渋皮を取りのぞいて加熱してから与えてください。(摂取量:1/2~1個程度) |
基本的に【葉、茎、皮、種、芯】には中毒を起こす成分があるので果実だけを与えてください。
2.野菜
生食 | 加熱 | 中毒症状 | |
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ネギ類 | × | × | ネギ類に含まれる成分によって赤血球が破壊されて重症の貧血(溶結性貧血)になる可能性があります。にんにく・ニラ・らっきょうなども同じく危険な食べ物です。 |
トマトやナスの芽や葉 | × | × | 嘔吐・腹部の痛み・血便・下痢・めまい・口内の乾燥・呼吸困難などを引きおこします。 |
銀杏 | × | × | 中毒性物質があり、下痢や嘔吐の原因になります。 |
里芋 | × | △ | シュウ酸カルシウムの結晶が含まれているため、口内炎・舌炎・よだれ・皮膚炎を引きおこす可能性があります。 |
ほうれん草 | × | △ | シュウ酸が多い食材なので過剰摂取すると結石症を引き起こす原因になります。 |
じゃがいも | × | △ | 緑色の皮や茎や芽に毒素があるので、きちんと取ってから与えるようにしましょう。 |
ピーマン | × | △ | 「ソラニン」という毒素を含んでいるため与えすぎに注意が必要な食べ物です。 |
上記以外の野菜は加熱することで食べられるものが多いので、野菜を与えたい場合は加熱してから与えるようにしてください。果物同様【葉、茎、皮、種、芯】には中毒を起こす成分があるので注意してください。
3.お菓子
生食 | 加熱 | 中毒症状 | |
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チョコレート | × | × | テオブロミンという物質を分解できずに、心不全などの病気を発症する可能性があります。 |
ココア | × | × | チョコレート中毒症状と同様です。 |
キシリトール | × | × | 犬にとっては虫歯予防の効果はなく、キシリトールの成分が血糖値を急激に下げて、けいれんなどを引きおこします。 |
ケーキやクッキー | × | × | 人間のお菓子は糖分や脂質が多すぎて中毒症状をおこす可能性があります。 |
おもち | × | × | 成分に問題はありませんが、喉を詰まらせる可能性が高いので与えないようにしましょう。 |
あんこ | × | △ | 砂糖を加えているものはNG。小豆を煮込んだもののみ食べられます。(摂取量:小さじ1程度) |
4.ナッツ類
生食 | 加熱 | 中毒症状 | |
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マカダミアナッツ | × | × | 嘔吐や下痢、発熱などの原因になります。 |
大豆 | × | △ | 生の大豆に含まれる栄養素が消化不良を引きおこすので、長時間加熱・発酵加工することで食べることができます。(摂取量:20g以下) |
豆腐、おから、納豆 | 〇 | 〇 | 大豆を加熱・発酵した食品はOKです。 |
5.肉類
生食 | 加熱 | 中毒症状 | |
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加工肉 | × | × | 食品添加物が多く、脂肪分が多いため肥満の原因になります。塩分も多いので、腎臓・泌尿器系にトラブルを引きおこす可能性があります。 |
ハンバーグ、しゅうまい | × | × | 玉ねぎが入っているため中毒症状を引きおこします。 |
揚げ物 | × | × | 油で揚げたものは脂肪分が多いため、健康上よくないので与えないようにしましょう。 |
豚,鶏,牛肉 | × | 〇 | 牛肉は過剰摂取すると動脈硬化や高血圧などの原因になりますので与え過ぎに注意してください。 |
レバー、ささみ | △ | 〇 | 新鮮なものに限り生食も大丈夫ですが、調理したものを与えたほうが安心です。 |
馬肉 | 〇 | △ | 加熱することで酵素が破壊されてしまうので、犬に与える場合は生食がおすすめです。食べすぎは体調不良の原因になりますので、犬の体重の1~2%の量を与えるようにしましょう。 |
6.魚、海藻類
生食 | 加熱 | 中毒症状 | |
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甲殻類 | × | × | 消化不良により下痢や嘔吐を引きおこします。エビなどの甲殻類・イカなどの軟体類・貝類は絶対に与えないようにしましょう。 |
ししゃも | × | × | 塩分が多いので絶対に与えないでください。 |
焼きのり | △ | △ | 味付け海苔は塩分が多いのでNG。焼きのりをドッグフードのトッピング程度に与えるようにしましょう。 |
かつおぶし | △ | △ | 塩分があるので、ドッグフードのトッピング程度にしましょう。 |
まぐろ | 〇 | 〇 | ビタミンが豊富なので、お刺身用のまぐろは生で与えても大丈夫です。 |
まぐろ以外のお魚は加熱することで食べることができます。10~15g程度の量を与えるようにしてください。
7.卵、乳製品
生食 | 加熱 | 中毒症状 | |
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牛乳 | × | × | 人間用の牛乳には乳糖が含まれており、その成分を犬が分解できないことで下痢を引きおこします。犬用のミルクを与えるようにしましょう。 |
チーズ | △ | △ | 塩分が多いので日常的に食べさせるのはおすすめできません。犬用のチーズを与えるようにしましょう。 |
ヨーグルト | △ | △ | 砂糖なしのプレーンヨーグルトのみOKです。与えすぎは尿結石の原因になりますので注意してください。(15g程度) |
生卵の白身 | × | 〇 | ビタミンが不足して皮膚炎(アレルギー)を引きおこす可能性があります。 |
8.飲み物
生食 | 加熱 | 中毒症状 | |
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コーヒー | × | × | カフェインは呼吸困難やけいれんを引きおこします。 |
お茶 | × | × | お茶に含まれる成分は犬にとって害になるものなので、肝臓機能を低下させる恐れがあります。 |
アルコール | × | × | 急性アルコール中毒症状を起こして、命を落とす危険もあります。 |
9.植物
中毒症状 | |
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観葉植物 | シュウ酸カルシウムが含まれているものが多く、粘膜や皮膚に対して非常に刺激が強いです。口の中の粘膜が赤くなったり腫れたり、嘔吐・下痢・痙攣・意識の混濁・呼吸困難などを引きおこす可能性があります。 |
ヒガンバナ | 全草に毒があり、とくにリン茎が有毒です。ヒガンバナを口にすることによって、下痢・ヨダレ・嘔吐などを起こし死に至ることもあります。 |
ユリ | 全草とくに花弁、雄しべ、葉、花粉が有毒で、ヨダレ・嘔吐・食欲不振があり、重症化すると脱水を起こし死に至るケースもあります。 |
スズラン | 全草が有毒で、下痢・心不全・嘔吐などの症状を引きおこします。スズランを挿しておいた水にも強力な毒性があるので注意が必要です。 |
庭木や生垣 | イチイ、キダチチョウセンアサガオ、シキミ、セイヨウキヅタ、センダン、ソテツは特に注意が必要な植物で、種子や葉を食べると死に至ることもあります。 |
10.その他
中毒症状 | |
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刺激物 | 香辛料は内臓に悪く、下痢や消化不良を引きおこします。 |
カビの生えたもの | マイコトキシンという毒素が含まれているので与えないようにしましょう。 |
穀物類 | 消化器官に負担があるので、なるべく与えないようにしましょう。 |
人間の食べもの | 基本的には与えないことが無難です。人間の食べものは塩分や糖分などが多く、犬の健康にとって悪いものがたくさん含まれています。 |
素人判断の応急処置はキケン!
吐かせる行為は症状を悪化させる危険性があるので、獣医師の指示がない場合は行わないようにしましょう。口の中の食べ物を取りのぞいたり、口の中を拭く程度にして動物病院の指示に従ってください。
犬が食べてはいけないものまとめ
中毒症状があらわれるには個体差がありますが、犬にとって危険であることには変わりありませんので注意してください。
人間の食べものを与えないことがもっとも安全ですが、注意していても口にしてしまう場合もありあますよね。中毒症状があらわれるには数時間から数日かかりますので、まずは落ちついて獣医師に相談するようにしましょう。